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W杯2018で「VAR」がもたらした効果

W杯2018で「VAR」がもたらした効果

◇サッカーにおけるVARとはいったい何のことなのか

近年、サッカー界で大きく話題になり、議論が巻き起こっているものの一つに「VAR」があります。これはVideo Assistant Refereeの各語の頭文字をとった略称で、日本の競技統括団体である日本サッカー協会(JFA)の競技規則の中ではビデオ審判員と呼んでいます。

VARは名称からもわかるように、試合中のあるプレーに対するビデオ判定を担当します。ただし、プレーの最終判断を下すのはあくまでその試合の主審であり、VARは主審にビデオレビューを実施するかどうかのアドバイスを行えるだけで、自らプレーの最終判断を行う権限はありません。また、主審にはビデオ審判員のアドバイスを受け入れるかどうかやビデオレビューを実施するかどうかを決める権限があり、判断に自信が有る場合はビデオレビューを実施しない決定をすることができます。

VARは主にVideo Operation Room(VOR)と呼ばれる専用の部屋において運用されます。試合の様子はVORでビデオ審判員1名と数名のオペレーターによってすべて監視されており、試合の流れを左右する重大なプレーがあった場合に即座に対応できるようになっています。

◇VARのメリットとデメリットは何か

このビデオ審判制度の最大のメリットは、フィールド上にいる審判が目視で確認しにくい部分までチェックできることにあります。主観が排除された映像というツールを使うことにより、誤審を可能な限り防ぐことができます。デメリットとしては、試合が中断される機会が増えてしまうこと、アディショナルタイムが長くなる可能性があること、ファールを誘うのが上手い選手がその手段を封じられることでプレーの質が低下する可能性があることなどが挙げられます。

◇VARがW杯で導入されるまでの経緯

サッカーの試合におけるビデオ審判制度の導入が本格的にすすめられるようになったのは2010年代になってからで、主導的な役割を果たしたのはオランダサッカー協会(KNVB)でした。KNVBは2012-2013シーズンに国内で行われた試合を用いて、ビデオ審判の判断にかかる時間を状況別に計測する実証実験を行い、得点をあげたとき、レッドカードに相当する行為が発生したとき、ペナルティーキックを与えるに値する行為があったときの3つに限定してビデオによる検証を実施するようにすれば試合への影響を最小限に抑えられる、という結論を得ました。この結果をもとにKNVBは国際サッカー評議会(IFAB)にビデオ審判制度の導入を求める嘆願書を提出し、2016年の総会で制度を試験的に導入することを決めました。

VARの導入は段階的に行われ、2016年8月から北米3部リーグで運用のテストが行われた後、9月3日に行われたフランス代表とイタリア代表の国際親善試合で試験的ではあるものの初めて国際試合で導入されました。国際サッカー連盟(FIFA)主催大会で初めて導入されたのは同年12月に行われたクラブW杯で、2017年からは欧州の国内リーグでも本格的な導入が始まりました。

すでに多くの人が報道などで見聞きしている通り、W杯で初めて導入されたのは2018年に開催されたロシア大会からです。W杯ロシア大会の時点では先に述べた3つのケースに加えて、退場や警告を与えた相手が間違っていた場合も対象となりました。W杯ロシア大会ではグループリーグだけで延べ335回の該当事象についてチェックが行われ、このうち14の事象で主審の判断が修正されました。W杯の公式戦で初めて判断が修正されたのは、6月16日のグループCのフランス代表とオーストラリア代表の試合で、フランス代表の選手が抜け出してきたのをスライディングで相手のオーストラリア代表選手が止めた行為がVARの対象となり、主審はビデオ審判員の助言を受け入れてフランスにPKを与えました。

◇W杯ロシア大会においてVARがもたらした効果とは

W杯ロシア大会では、1ヶ月あまりの大会期間中に行われた全ての試合にビデオ審判制度が導入されました。W杯終了後、サッカーファンの間では誤審の減少などを理由に評価する者と、試合のテンポやスピード感の喪失などを挙げて憂慮する者がいて賛否両論です。しかし、W杯をはじめとする国際大会にビデオ審判員が導入されるようになってまだ日が浅いため、Video Assistant Refereeの制度が世界のサッカーをどのように変えるかを論じるにはまだ多くの時間と試合が必要でしょう。

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